一寸先は闇だから

ヲタクなんだからあっぱらぱーにいきましょうよ

蘭乃シシィに捧ぐ

 

今更ですがわたしは2014年花エリザが大好きです。

 

主要キャストが歌が上手い方が多くストレスフリーに聞けるということもありますが、

何より好きなのが蘭乃はなさんが演じるエリザベートです。

 

蘭乃シシィによって14年花エリザは宝塚で表現することのできるギリギリを攻めたのではないでしょうか。

 

宝塚で求められるエリザベートはオリジナルと一味も二味も違うまた違ったエリザベートです。黄泉の帝王トートに寄り添うシシィ、宝塚ではそれが何よりも最優先であると勝手に思っています。

2016年の宙エリザではみりおんシシィはまぁ様トートに合わせたエリザベートを作ってきたなぁとゆう印象を持ちました。

 

しかし蘭乃はなさんは独立したシシィでした。誰にも寄り添うことのない、誰とも生きていくことのできないシシィだったと思います。

暴走機関車のような蘭乃シシィ、

私だけにの歌詞が誰より似合う人だと思います。

 

14年花エリザは蘭乃シシィを中心に作り上げた作品なのではないでしょうか。

 

みっちゃんフランツは過去に無いくらい書類にしっかりと目を通し、自分の立場を理解して心を押し殺して判決を下す人でした。

優しさの塊で愛に溢れたフランツです。

みっちゃんフランツにはどこにも非はありません。なぜシシィは扉を開けないのか、シシィの気持ちが全く分かりません。

 

一花ゾフィーは「宮廷でただひとりの男」と言われているのが分かります。

みっちゃんフランツに依存することなく、独立したゾフィーでした。女、母、姑、どれでもなく国のために全てを尽くした人だということが伝わります。

みっちゃんフランツが蘭乃シシィを選んだ時に息子に似合わないと言っていますが、それは女として気に入らないと言っているのではなく、ハプスブルク家のフランツに似合わないと言っているように聞こえます。

新婚の蘭乃シシィに皇后の務めを言う場面では、本当に蘭乃シシィのためを思って厳しく教育してくれている印象を受けます。

これから人の前に出なくてはならない皇后がこのような小娘では国の威厳に関わる、皇帝であるフランツが恥をかかないように皇太后として教育しようとしていたのではないでしょうか。

一花ゾフィーが言うことは全て正論に聞こえます。なぜ、シシィはその愛情に気がつかなかったのか、

 

 

長々と語りましたが、みっちゃんフランツも一花ゾフィーもなにも非はありません。

 

なぜ不幸が始まってしまったのか、

それは全て蘭乃シシィが誰とも生きていけないシシィだったからです。

 

他の方のシシィだったらみっちゃんフランツと一花ゾフィーと上手くやっていけたでしょう。

 

蘭乃シシィはこの2人の優しさに気づかず、可愛いお妃になりたくないと言っちゃうシシィです。一花ゾフィーは可愛いお妃を求めていたのではないと思います。

そんな蘭乃シシィは暴走に暴走を重ね、常にシシィに歩み寄っているみっちゃんフランツにわたしの人生はわたしのものだと完全勝利宣言をします。蘭乃シシィはなにも見えていません。こんなにもこの歌詞が似合うシシィは歴代を振り返ってもいないのではないでしょうか。

東宝版にある「本当の話シシィは物凄いエゴイスト」と聞こえてきそうです。宝塚版なのに。

 

暴走を重ねた蘭乃シシィはついに疲弊し、みっちゃんフランツと向き合う覚悟を決めます。しかしやっぱり自分が1番大事な蘭乃シシィ。みっちゃんフランツはすれ違った後に行き場のない手を握りしめます。その一瞬の動作にみっちゃんフランツの蘭乃シシィへの失うことのない大きな愛、そして行き場のない愛を感じました。

きっとみっちゃんフランツは自由で小鳥のように飛び回っている蘭乃シシィが好きだったのでしょう。だから旅に出ても母と衝突しても常に蘭乃シシィを守ってきました。

最後の最後まで気づかない蘭乃シシィ、

この2人こそ「永遠のすれ違い夫婦」ではないでしょうか。

 

最後に蘭乃シシィは自らが生み出したトートとゆう妄想に沈んでいきます。

蘭乃シシィなら常にトートが近くにいそうだし、今まで拒否し続けてきたトートを愛した理由も分かります。

自分をいつまでも見ていてくれるトート、決して裏切らないトートに惹かれていったのでしょう。

 

蘭乃シシィは宝塚では求められているシシィではなかったかもしれません。

わがままで傲慢でエゴが丸出しの少女でした。

小池先生が蘭乃シシィの無邪気さに潜む闇や狂気を見て欲しいと東宝版で言っていましたが、宝塚版でもその片鱗を見せてくれたと思います。

 

このような点から14年花エリザは蘭乃シシィがベースとなっていると思っています。

 

寄り添いたかったのに寄り添えなかった蘭乃シシィが大好きです。

自分が求める自由が何かわからなくなり、自由に縛られている蘭乃シシィが大好きです。

 

 

 

話は変わりますが、

エリザベートの出来は我ら生き絶えし者どもの「エリザベートのためにしたことよ」で全て決まると思います。

そのひとフレーズでエリザベートの世界に入れるか入れないかが決まります。

14年花エリザは最高です。一花ゾフィーとじゅりあルドヴィカの迫力はたまりません。ズレることなく、2人が合わさり、さらなる迫力を生んでいます。本当にそこが大好きです。

 

じゅりあルドヴィカはあのヘレネとシシィが生まれたわけが分かるというか、

ヘレネに一張羅として変なドレスを着せ、変なヘアーをしてしまうのが納得のルドヴィカでした。

 

14年花エリザが好きすぎて好きなところを言い出したらきりがありません。

 

ミルクのシーンでのだいもんルキーニの「無いものはないんだ」の小馬鹿にした感じも好きでした。

そこに潜む美しいみりおトートも最高でしたね。

 

蘭乃シシィの話をするつもりが脱線してしまいました。14年花エリザ最高です。

 

 

14年花エリザよ、永遠なれ